2014年12月1日

映画「インターステラー」、農業スペースタイムトラベルSFの泥沼と収斂


 最初に言っておく。最高の映画だった!

 ネタバレが深刻なダメージになる映画なので簡単に説明すると、大筋は滅亡の危機に瀕した人類を救うために何者かが作ったワームホールを通って別の銀河へ探査に行くよ!というお話。まさに古典的SFというべき骨太の設定と展開の壮大さ。中盤ではまさに泥沼といっていい展開が待っていて、「そんなのってありかよ!」と誰もが叫びたくなるような衝撃のあとからが面白い! すべての前提条件がひっくり返るようなどんでん返し、「インターステラー」というタイトルの本当の意味、そしてすべての伏線は美しく収斂する。ちょっと心配するくらい本当に泥沼だったけど綺麗にまとまって終わった。ラストのヒロインのワンカットも美しい。
 小説で言うと「星を継ぐ者」に近い衝撃があった。それぐらいゴリゴリのSFなので、好きな人にはきっとドンピシャ。もちろんそうでなくても面白い。

 この映画は何度も展開が変わり、そのたびに別の映画か!? と思うほどの毛色の変化を見せつける。169分という長尺ながらも飽きさせない面白さだ。
 展開が二転三転するこの物語をあえてひとことで表現するなら、
農業スペースタイムトラベルSF! である。 最初は農家の話かな? と思ったし、別の銀河に探査に行く展開に次ぐ、タイムトラベル設定(重力と愛、それは時を超えるエネルギー!)……ここら辺から若干ファンタジー気味な展開になるが、それもまた「五次元空間をこう表現するのか~」みたいな面白さもあってよい。

 様々なモチーフがちりばめられた複雑な映画だが、それを通して描かれたのは人と人とのつながり、家族だと思う。心に痛み入るはっとする場面が何度もあり、そのたびに涙をこらえるのがつらかった。SFとしてだけではなく、ヒューマンドラマとしても本当に良い映画でした!
 ちなみにクリストファー・ノーラン監督の作品では「メメント」が大好きですよ。



 あぁ~~~っ、作品の面白さを抽出して伝えるのって難しい! もどかしい! とにかく見て! としか言えない(敗北感)!
 映画館に行くのは数ヶ月ぶりだったのですが、劇場復帰の1作目がインターステラーで本当に良かったと思う。響く重低音! 共振する座席! 一体感! 真空の無音! 静かなシーンでくしゃみする輩! 久しぶりの映画館を存分に楽しんできましたよ!
 今年もまだまだ映画見たいなあ。やっぱり僕は映画好きだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿