2014年11月27日

善人 #2

善人 #1 善人 #3  次の瞬間には死体をどう処理するかを考え始めていた。どこかに埋めるか? 浴槽でバラバラにして燃やし、灰にするとかいうのを何かの映画で見たが……いや、それは時間がかかりすぎるし排水溝に血や髪が残ってしまう。正直に警察に届け出ることも考えたが、さすがにそ...

2014年11月25日

善人 #1

善人 #2 善人 #3  琴乃は恥じらいもなくシャツの胸元を指で摘んではたはたと空気を送り込んでいた。もう片方の手では僕が差し出した氷たっぷりの麦茶入りのコップを手にとって、それを一息に飲み干す。コップの尻から大きくなった水滴が堪えかねてテーブルに跳ねた。琴乃のあごのライン...

記憶はどこにあるのだろう

 羽がなくなった鳥は飛べた頃の記憶をいつまでも抱き続けることができるのだろうか。たぶん違う。失われた鳥の記憶はきっと羽のなかに宿っていて、それがなくなってしまったことで記憶もどこかへ消えてしまったのだ。そこまで考えて僕は義足の手術する決心をした。僕は気付いたのだ、僕が事故の日から...

2014年11月22日

食通のみそ汁の食べ方

 器に注がれてから時間が経ったみそ汁、その具や味噌成分が沈殿した状態で上澄みに残ったお湯だけを啜る。食通たる者、まず水の質を確かめるのだ。ひとくちのお湯を舌の上で遊ばせ、熱さや香り、だしの風味を味わう。ほくほくと転がる湯に「ふう、ふう」と言いつつも微笑むことを忘れない。感謝の笑み...

2014年11月18日

人生は三度ある

 人生は何か一つのことを極めるには短すぎるとか言う人もいるけど僕はとにかく漫画を描くことに打ち込んできた。押しても引いても人生は一度きりだからだ。たとえ道半ばで命果てようとも、いろんなことに手を出して全部中途半端になるよりはましだ。中途半端なものはできるだけ少ない方がいい。それに...

2014年11月14日

季節を感じるファクターは人それぞれだという話

 季節の変わり目を何で感じるかというのは人それぞれだと思うが僕の場合それは乾燥だ。主に冬、空気がごすごすした感じになると、僕の喉はすぐにひりついて乾燥を察知する。そして初めて「ああ、冬だなあ」と感慨に耽るわけだ。逆の場合もまた然り。  だけどそれって風情がない。人によっては花...

2014年11月12日

けだるさ

 何をするにもやる気がなくて身体が重い。ここ最近ずっとだ。病気のせいじゃないかと思うのだけれど、はっきりしたことは分からない。薬の副作用か何かかもしれない。それとも働き過ぎなんだろうか。時間的な余裕がないのは確かだ。バイトをしているせいで、本や漫画を読んだりゲームをしたり、やりた...

2014年11月6日

マカロンとシンデレラ

 さく、ふわ、ぬちゃ、しゃららら。強烈な甘さと香りを残して舌の上で溶けてゆくそれはフランスの焼き菓子マカロンである。  本当はバイト先の婦女子たちにおみやげをばと思っていたのだが、どっこい価格が予想の倍はしたので断念し、別の小さな、価格も手頃な焼き菓子を買うことで代わり...

2014年11月4日

学園祭トラウマ

 中高と「学園祭」(クラス行事)にトラウマがあってそのせいで精神を病んだと言ってもいいくらいそれが僕の人生の大きなマイルストーンになっていた。  ホントは悪いのは学園祭でもクラスメイトでもなくて結局は自分自身、クソみたいな学園祭とかゴミみたいなクラスメイトとうまくコミュニケート...

2014年11月1日

「リリィ・シュシュのすべて」

 岩井俊二監督の2001年の映画。  もともと大好きで、ただ短期間に何度も繰り返して見るには少しハードな作品ってこともあってしばらく触れずにいた作品だったんだけど、最近なんとなく観る元気が出たので観たらやっぱりいい作品でした。  おすすめしようと思って書きます...

2014年10月に読んだ本・漫画

motoiの本棚 - 2014年10月 (51作品) ドミトリーともきんす 高野文子 読了日:10月01日 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 1 (ビッグコミックススペシャル) 浅野いにお 読了日:10月01日 家栽...