破倫館
日々雑感、小説など
2014年11月25日
記憶はどこにあるのだろう
羽がなくなった鳥は飛べた頃の記憶をいつまでも抱き続けることができるのだろうか。たぶん違う。失われた鳥の記憶はきっと羽のなかに宿っていて、それがなくなってしまったことで記憶もどこかへ消えてしまったのだ。そこまで考えて僕は義足の手術する決心をした。僕は気付いたのだ、僕が事故の日からずっと感じていた不安や喪失感の在処、それは千切れた脚ではなく、失われてしまった歩けた頃の記憶だったのだと。
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