2016年6月13日

最近観た映画の話


土日で映画いくつか観たがどれも面白かった。

鈴木清順監督「ツィゴイネルワイゼン」
デヴィッド・リンチ監督「インランド・エンパイア」
ニコラス・ウィンディング・レフン監督「オンリー・ゴッド」
レオス・カラックス監督「ホーリー・モーターズ」
ゼバスティアン・シッパー監督「ヴィクトリア」

都内の劇場にて鑑賞。ツィゴイネルワイゼン以外は初めて観る映画。
どれも《現実とは、虚構とは何か》みたいなことを考えさせられる作品(ちなみにあいだの3本は新文芸坐での「境目ぼんやりナイト」というオールナイト企画)で、そういうのが好きな僕にとってはどっぷりな休日でした。
特にインランド・エンパイアはどストライクであと100回くらい繰り返して観たい。劇場で観たからこそ効いた演出がそこかしこにあるけど、自宅で深夜に暗い部屋で観るのもきっといい。絶対気が狂うと思う(褒め言葉)

この流れで森達也監督の「FAKE」を観られたら最高だったんですが、スケジュール的にオールナイトからそのまま寝ずにヴィクトリア観た段階で体調が最悪に近い状態になり断念。ヴィクトリア終わって劇場出たら外がまぶしすぎて嘔吐するという新鮮な体験をした。本当に徹夜に弱い。本当はさらにそのあと美術館にも行きたかったんですが、それもまた別の機会にした

他のも良かったんですが「ヴィクトリア」についての話をします。
そんなにヒネりのない展開でプロットには華はないけど、とにかく脚本が巧かったです。140分ほぼずっと主人公にカメラがついてまわっているのにもかかわらず、まったく展開にダレがないの本当にすごかった。実験だけじゃなくてエンタメとして大成してる。

もっとすごいのはやはり映像で、ぶっちゃけワンカットであることを忘れるほどどのシーンも確実にその瞬間その瞬間の奇跡を捉えている。構図とか何気なしにキチッと決めてくるのも気が遠くなるほど良かったし、構図と構図の合間にあるカメラのゆらぎにも価値がある作品だと思う。
三宅唱監督の「Playback」って映画のなかでもあえてカットを切らずに"退屈"を演出するカットがありましたが、そんなふうに作中時間と実時間が同期する演出はすごく好きなんですが作品まるごと使ってそれをやるの頭がどうかしている。むちゃくちゃ後半ドキドキします。最高です
叙述の形式的な部分についていうと、ちょっと舞城王太郎の「淵の王」って小説を思い起こさせる部分もあり、なるほどこの小説を映像化するなら全編ワンカットにするといいなとか思いました。まあ映像化されないだろうけどな

「FAKE」は頼むからあと一ヶ月くらい上映してくれ。園子温の「ひそひそ星」も観たかったですが上映期間が一週間くらいしかなくて行けませんでした。あと「ディストラクション・ベイビーズ」も観たい。ちょうど先日近所のシネコンでの上映が終わってしまった様子。頑張れMOVIX



 池袋のピンクな通りのなかにある新文芸坐という名画座が好きです。毎週土曜日の夜からオールナイトやってるんで映画が3本とか観られるうえに一泊できて2300円とか最高じゃないですか?

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