2016年1月24日

書評:プラトン『饗宴』

 プラトンの「饗宴」、これはまさにその構造自体が哲学史のダイナミックな流れを象徴するかのようなドラマティックな対話篇である。テーマとなる「エロス」について複数の登場人物たちが宴席で代わる代わる演説を交わし、時折反論を織り交ぜながら前の人よりもより優れた説を述べようと奮闘する、いわ...