
2017年6月18日
ThinkPad E460 CPUの冷えがイマイチなのでグリス塗り直しました

2016年12月6日
おめでた君
深夜、私が部屋のベッドで寝転がって漫画の『逃げ恥』を読んでいるとドアをノックする音がする。コンコンコンと三回叩くのは弟の隼人だ。「なに?」とだけ聞くと、静かにドアが開いた。入っていいとは言ってないじゃん……と思いながらもチラッと視線を向けると、その隙間から暗い廊下に立つ隼人の...
2016年11月18日
錆の味
妹の洋子は錆びた金属に触れるのを心底嫌った。触れると激しい発疹や発汗が起こり、酷いときには失神してしまうほどである。自然、洗い物や掃除などをさせるわけもいかず、俺が代わりに家事をする。偶に釜や鉄瓶の外側についた赤錆を落としてやる。 医者に診せるとアレルギーではなく心因性の...
2016年11月16日
恋に酔うもまた病なり
命を全部使い切る勢いで彼女は歌う。汗まみれになって。髪を振り乱し。歌詞や音程を間違えても「あっはっは!」と高校生の女の子らしからぬ豪傑っぽい笑い声で誤魔化した。 「ピーチフィズ!」 おい未成年、という当然の突っ込みは既に三回ほどやったところなので今度は僕が折れた。電話口...
2016年11月10日
日記
教養というものがなく、この歳になるまで読書というものをほとんどしなかった。大学に通い始めて四年が経とうとするこの冬まで。それも文献を読み下す量と質が明暗を分ける人文学系の学徒でありながら、である。もちろん学業方面においては暗い地の底を這うような成績を修め続け当然のように留年して...
2016年11月9日
迷わない森
夜半。僕は屋敷を抜け出して森の中を歩いていた。隆々と盛り上がる木の根に躓かないように、少し屈みながら手探りで進む。さっきまで背中に浴びていた屋敷の饗宴の声は木々のざわめきに紛れてしまった。明かりのない道にふらり迷い込んだことを悔やみそうになったとき、一寸先に薄ぼんやりと光。驚...
2016年10月26日
壁蝨と煙草
夏の蒸す夜は、何度も目が覚める。汗をじっとりと吸い込んだ敷きっぱなしの布団で、健史がもがくような寝息を立てていた。布団を蹴散らし、まるで子供のようだ。その側に転がるビールの空き缶を蹴らないように、べたつく足で床を歩く。 冷蔵庫に麦茶がない。寝る前に沸かしたばかりの薬缶の中...
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